赤い花
雨に散らされて
棘だけ残して
此の胸を永遠に刺し続ける


傍に居たかった
あの人のようになって
気高く美しく
貴方のものになって
貴方のすべてを独占して
傍に居たかった


果てを知らぬ望み
遠く 叶わず
ならばせめてこのまま
其の幸福を見ているだけで
其の優しさに触れられるだけで
呪文のように繰り返して


せめてこのまま
それだけでよかったのに


咲き誇る赤い花
私を染めあげる
雨よ
流さないで
消してしまわないで
愛しい赤い花


行かないで
心など置いて行かないで
貴方が居なければ
影さえ此処を動けない


いつか此の身が滅んでも
それがたった今でも
隣には行けない
其の場所にはあの人
決してなれぬあの人


美しい赤い花
捧げる白い花
私だけが醜く


赤い花
雨に散らされて
棘だけ残して
此の胸を永遠に刺し続ける




<あとがき> ※……という名のただの戯言(しかも無駄に長い)ですので、余韻・雰囲気を壊したくない方は、読み飛ばすことをおすすめします。


BLEACH二次創作第一弾。
「memories in the rain2」のルキアです。

赤い花=海燕の血。
あんな形で抱きしめた海燕の感触は、海燕を貫いた感触は、一体どんなものだったのか……
そんなことを考えてたら、降りてきたものです。

曼珠沙華の花言葉は、「想うは貴方ただ一人」「悲しい思い出」、だそう。

……初恋だったりしたんじゃないのかな……(恋次は。←貴様それでも恋ルキ派か)(
※1

此の胸を永遠に刺し続ける」。きっとそう思ってただろうと。
でも、150話『COUNTDOWN TO THE END:0』の
「海燕殿に導かれ そして 一護に救われた」
に続くんですよ。
痛みは消えないし、忘れられるはずもないけど。
棘はやがて抜け、永遠も永遠じゃなくなる。
『memories in the rain』で一護が死ななかったことが、どれだけ大きかったか。
もしあそこで一護が死んでたら、それこそ永遠ですよ。
それなのに、最後まで手を出さなかったルキア……(←これも彼女の凄いところだと思う。普通無理だよ)。
もう言葉になんないです。

ルキアはとても清廉な心の持ち主なんだって思った(優しいとか、そんな言葉では駄目なの)。
他人への態度や口調は偉そうなのに、自分に一番厳しくて。
けど、自分では分かってない。
だから、自分を醜いと感じてしまうんだと。
すべてが自分の為で、「私が救ったのは私自身」だとしても。
そんなもんだし、そうするしかなかったし、それによって海燕は救われて、浮竹だって助かったんだから。
醜くなんかないよね。
奥さんもさぞ素晴らしい女性だったんでしょうけど、ルキアはルキアで気高いし、美しいです。

とにかくもう、ルキアが思ってた以上に、想像が追いつけない位に、ずっと深くて深くて……

↑で「〜に続くんです」とか書きましたが、これが降りてきたのは、『COUNTDOWN TO THE END:0』を読む前夜。
この奇跡のようなタイミングは何なんでしょう……号泣する準備はできていた?
そりゃ泣きますよ(
※2)。入り込み過ぎと言われようが何だろうが、泣きますよ。
読んだ後は、しばらくこれに手をつけられませんでした。
何も出来ず、ネサフもせず、毎週楽しみにしているTV番組も録画したまま放ったらかす有り様。
余韻を壊したくなくてっていうのもあるけど、ルキアが私の中に巣食った、そんな感じで。

早く幸せになって下さい。心からの笑顔が、偉そうな態度が、早く見たいです。



※1
半平太も同じ考えなんですけど。私達は恋ルキ派ですが、もっと具体的にいうと、「これからの恋ルキ派」なのです。
もし、海燕と出会う前に、ルキアがハッキリ恋次への想いを自覚していたのだとしたら、離れたからってすぐ海燕に心奪われたりはしないと思うんですよ、彼女の性格的に。
深く絶大な尊敬・信頼・憧れで止まってたかと。
自分で言ってて悲しいですけど……(苦笑)。
何にせよ、海燕殿あってのルキたんであることには変わりません!
恋次はそれらすべてひっくるめて、ルキたんを包みこむのです! まずは告白からだ恋次!!

※2
自分でも信じられない位泣いてしまったんです。ルキアの想いに。
死なないのは分かってるので(それじゃ延々やってきた話の意味が無いですし)、なかなかページをめくらず……
やっとめくった時には、やっぱり現れたマント王子に「『よう』じゃねぇっ!!」と思い切りツッコミました(笑)。






(☆ この作品・及びあとがきは、2004年10月に書かれたものです)















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