天気のいいある日の昼下がり。
人気のない草っ原
(とか小高い丘とか、まあとにかくそんな感じの何処かその辺)で、一人お弁当を食べているルキア。



海燕 「おー! 朽木!!」
←無駄にデカい声
ルキア「ひぃ…っ」
←ビックリした
海燕 「……まーた『ひぃ』っつったな……まぁ、いーわ。今頃昼メシか?」
ルキア「虚退治に現世まで行っておりましたので……」
海燕 「そか。ご苦労さん。どうだったよ?」
ルキア「特に何事もなく済みました」
海燕 「そか」
←きっとあの笑顔。……この野郎……!


海燕 「……何かオメー、いつも人気のないとこにいるよな」
ルキア「…………」
海燕 「まぁ、こんな時間に隊舎でメシは食いづれーだろうけどな。
    ……もしかして、居心地悪ィか? 十三番隊(ウチ)」
ルキア「いえ、そんなことは。……ただ……」

ルキア、顔を上げて景色を見渡す。
穏やかな風が流れて、ルキアの髪を揺らす。


ルキア「ただ、此処は眺めが良いので」
海燕 「……そうか」
それ以上は訊きません。ああBLEACHの野郎共は!


海燕 「確かに、気持ちいいな、ここ。いーい天気だ!」

海燕、伸び。ルキアの隣に腰を下ろす

海燕 「お、何だ朽木。箸止まってんぞ。俺は気にしなくていーから食え」
ルキア「は、はい……」
←見られてると食べにくいんです。乙女ルキたん。


ルキア「……あの、海燕殿は何をしておいでなのですか?」
海燕 「あー……。いや、今日さ、隊長出て来てっだろ?」
ルキア「はい」
海燕 「普段、隊長バリに立派に隊を仕切ってる俺だけどよ。
   浮竹隊長でないとダメな仕事もあるワケだ」
ルキア「はい」
海燕 「だから俺は、『よッし! 今日はその辺の仕事を片付けちまうぞ!』と張り切ってたんだがな」
ルキア「はい」

海燕 「隊長がヘンに気ィ回してよ、『いつも苦労を掛けてすまないな。
   今日は俺が全部やるから、ゆっくりしていいぞ』とか言われて。
   んなこと、急に言われてもなあ……このテンションをどこにやったもんだか。
   なあ朽木?」
ルキア「……はあ……」
海燕 「隊長が出て来てるってんで、清音も仙太郎もウゼーぐれぇの働きっぷりだしよ。
   かといって手持ち無沙汰で何かやろうとしたら、隊長が休め休め言うし。
   隊舎、居づれーのなんの。
    そんでしゃーなしにブラブラしてたら、天気はいいし、のどかだし、
   何かもー仕事どーでもよくなった」
ルキア「なら良いではありませんか。ゆっくり休まれたら」
海燕 「いやな、それが大きな問題があんだ」
ルキア「問題? 何ですか?」
海燕 「暇」
ルキア「………………」
海燕 「……朽木。オメー、暇そうだな」
←キラーン。ターゲット、ロックオン
ルキア「え? い、いえ、私はこの後まだ別の仕事が……」
←嫌な予感
海燕 「知らん。構え。俺を構え」
←ほとんどカラんでるヤンキーです
ルキア「か、海燕殿。副隊長ともあろう人がそんなことを言ってもよいのですか?」
←うろたえ
海燕 「さっき、仕事どーでもよくなったっつったろ。今日は副隊長放棄だ」
ルキア「で、ですが、私は休みではありませんので……」
海燕 「朽木、オメー、副隊長の命令が聞けねえっつーのか?」
ルキア「……言っていることが滅茶苦茶ですが、海燕殿……」
海燕 「おー、また箸止まってんぞ、朽木。ホレ、食え食え」
←既にまったりモード
ルキア「は、はあ……」


ルキア、諦めて食事をのろのろと再開。
そんな彼女をしばらく何とはなしに見ていた海燕、


海燕 「…………
(ぽん)←ルキアの頭に顎を乗せる
ルキア「!?
←どきっ
海燕 「ほんと、今日はいー天気だなあ。気温もちょうどいい」
ルキア「え、ええ……。……あの、海燕殿……?」
←赤面ルキたん
海燕 「ここも、景色いいし、静かだし。いい場所知ってんな、朽木」
ルキア「はい。あ、いえ、そうではなくて、海燕殿……」
←どきどきルキたん
海燕 「んー?」
ルキア「その……一体何をして……?」
海燕 「あー、何かちょうど良さそうだったから。楽だーこれ」
ルキア「……重いのですが……」
海燕 「小せえなあ、朽木」
←聞いちゃいねえ。奥さんと比べてたりしたら切ないなあ……
ルキア「…………」
海燕 「おっ! 見ろ、朽木! 蝶だ!」
←そんな無邪気に……!
ルキア「…………」
←顔が上げられないのか、乙女メーターが振り切っているのか
海燕 「尸魂界もすっかり春だなあ」
←ご機嫌
ルキア「……そうですね……」










<別にいらないあとがき>


半平太の海ルキイラスト「お弁当1」を見ていて、「何でこういう事態になったのかなー」と、過程を考えてたら出来たもの。
なのに、結局理由にも説明にもなっていないという……まあ、幸せならいいじゃないですか!(←コラ)

読み返してて、ふと思ったこと。
浮竹はこの日気張り過ぎたせいでまた体調を崩し(ってか吐血し)、かえって海燕の仕事を増やしただけ、とかになるんではなかろうか……
いや、なる(断言)。
血塗れ書類の熱烈な歓迎を受けて、穏やかな殺意を抱くといい(90%の尊敬と10%の殺意推奨/笑)。
……大変だなー、海燕……

しかし、このひねりもセンスもないタイトルはどうよ(爆)。
アップにあたって、もう少しマシなのに変えようかと色々考えてみたんですが……
浮かばなかったのと、「小洒落たタイトル付ける程のものでもないよな。かえって浮くよな」と思って投げました(オイ)。
ちなみにコレ、タイトル付く前は「好きにセリフをあててみよう!〜春と罪な男(志波海燕)編〜」と呼ばれておりました(笑)。
海燕殿=罪な男の代名詞ですから!

これもね、きっと何だかんだ言っても、仕事の時間になったらちゃんと解放してくれるんですよ。
……くっ! このいい男め……!


海燕の言葉遣いが、書いてみると微妙に分からなくて困りました……何せ資料が少ない(泣)。
ので、途中から大いに開き直りました(爆)。どーせ同じには出来ませんしねー。

いや、しかし、本当にこんなん上げて良かったのかなー……耐えられなくなったら下げるかもしれません。
でも、「こんな肩の力抜きまくったものでいいなら、作品もっと増やせるのになあ」っていうのも本音(苦笑)。

「こんなんでもいいよ!」って方、いらっしゃいます?(←甘えるな!)


まあ、何はともあれ、読んで下さってありがとうございます&お目汚し失礼致しましたm(_ _)m!
















(描いた日:2004年秋)





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☆ この作品(?)はあくまで、半平太の海ルキイラスト「お弁当1」に好きにセリフをあててみただけのものですので、
  読み物としては大変ショボイです。
  台本とすら、呼んでいいんだかどうだか……
  「それでもOK!」という方のみ、レッツ・スクロール。