○ UA−S型ヒューマノイド ○



アルフィータと地球人の共同提携(名目上、共同ということになっているが、実際は技術の殆どがアルフィータの手に拠る)によって創られる。

UA型の最大の特徴は、あまりにも人間に近しく創られていること。
皮膚の感触や弾力性は人間と同じ。
一見しただけでは普通の人間との区別がつきにくい為、識別用アクセサリーの着用が義務付けられている。
(T〜W型はそれぞれアクセサリーのデザインが異なる)

元々は球体の形。それにプログラムを組むと、20分程かけてそれに従った人型に変形する。

大きさ・重量は様々。一番大きいものは、直径80cm・重量80Kg。
(ここでの重量は質量にあたるので不変。人型に変形後の身長・体型には一切影響されない。
極端な例をあげるなら、外見が130cmの痩せ型の子供でも、元の質量が80Kgなら体重も80Kg)

女性にも男性にも変形可能。

知能は人間とほぼ同じ。自我も持てる。

最初こそ観賞用に創られていたが、その高性能ぶりに、現在では多方面でニーズが高い。

現在は生産中止。故に貴重品であり、一般人が持てるようなものではない。



*「UA−S」の「S」とは、地球人が移住して来た当時、宇宙船のオペレーターをしていた女性の名前、「セラフィ」の頭文字。
アルフィータの代表者が彼女の声を気に入り、セラフィは彼の元へ嫁いだ。
アルフィータと地球人の、最初で最後の唯一の婚姻。
これにのっとり、二者間の永遠の友好を願って、この名が付けられた。

○ RA型ヒューマノイド ○



人間型の素体に、内装は擬似骨格・内臓・筋肉、外装は擬似皮膚によって創られているヒューマノイド。

性別の変更等、最初の素体から大きくかけ離れたプログラムや書き換えは不可(メンタル面は可能)。

知能は高く、自我も持てる。

UA型には劣るが、それでも人間に近しいヒューマノイド。

識別用アクセサリーの着用義務あり(デザインは型番によって異なる)。

地球人によって創られたが、時期がUA型と重なった為、あまり人気が出ず、3年程で生産停止になった。

しかし最近では人気が復活し、ニュータイプが安く売られている(多少性能は落ちる)と同時に、過去のものはアンティーク扱いされ、プレミアがついている。

量産タイプと、同じものは存在しないフルオーダータイプとがある(リンメイはこれにあたる)。

○ MA型ヒューマノイド ○



最もポピュラーなヒューマノイド。

頭部から頸部・腕・脚のみ人工皮膚で被われている。

自我は持たない。

地球人によって創られている。

社会での主な役割は、家庭用(ハウスキーパー、etc)・企業や社会施設等のコンパニオンなど。

MA型は移住船にも同乗していた。

安価(とはいえ、誰もが手軽に買えるようなものではない)。

*ヒューマノイドは一般的に『ロボット』と呼ばれることが多い。蔑称めいて『人形』と呼ばれることも。

*その他、人型ロボット以外にも、ロボットは存在する。ペット的な愛玩物や、工業用……等々。

*以上、いずれもロボット工学三原則(
)に基づく。

 特別に改造された戦闘用・警備用ロボットもいるが、指名手配犯罪者や現行犯以外の一般人に手を出すことは出来ない。
 殺傷能力のある武器の携行は禁止。
 違法改造、または故障などにより罪を犯したロボットが対象の場合は、頭脳を破壊しない程度(情報データ保存の為)の攻撃行為は許可される。
 個人所有のロボットが、戦闘・賞金稼ぎ等に従事するには、マスターがそういった職業に就いていることが必須。単独では許されない。




<ロボット工学三原則(Three Laws Of Robotics)>

第一条/ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することにより人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条/ロボットは人間に与えられた命令に服従しなくてはならない。ただし、与えられた命令が第一条に反する場合はこの限りではない。
第三条/ロボットは、前掲第一条及び第二条に反するおそれのない限り、自己を守らなければならない。

☆SF作家アイザック・アシモフが提唱したロボットの行動規範(正確には彼の作品を読んだ雑誌編集者ジョン・W・キャンベルが、物語中のロボットの行動規範を見抜き、三原則として抽出したもの)。今日のロボットSFのベースとなっている。

Humanoid

WORLD

deep more......






※ 『solitary marionette』は『アルフィニーア』という物語の
ヒューマノイド達に焦点を当てた、外伝シリーズにあたります。
本編『アルフィニーア』は人間視点で、主役はナギ。

舞台は未来。
地球と環境の酷似した惑星、「アルフィニーア」。
そこに移住し、生活する地球人と、
超高性能アンドロイド=ヒューマノイド達が織り成す物語

22世紀後半〜23世紀初頭。

地球人は太陽系を主な活動範囲とし、隆盛していた。

しかし、地球にて世界的な大戦が勃発。

終戦を迎えた時には環境汚染等が亢進。

以前からあった太陽系外惑星移住計画に拍車がかかり、遂に実現に至る。

そして三度目の惑星移住計画。

船団を組んでの航海途中、大規模な宇宙嵐に遭遇。

次元の歪みに巻き込まれ、主船を含む数隻が別の銀河系に飛ばされてしまう。

数年間(地球時間)の放浪の後、ようやく惑星「アルフィニーア」を発見・着陸。

アルフィニーア人=アルフィータに手厚く迎えられ、与えられた島に移住する。





地球人が新たな故郷に辿り着いて、30年。

物語はここから始まる。

当時の地球人の総数は、およそ5万弱。人種も様々。

与えられた島では、地球人による自治が行われている。

アルフィータは助言や援助を求められる場合以外は、内政干渉をあまりしない。

しかし、アルフィータ側からの要求の最重要事項により、

・〔アルフィータにあらゆる事項・または方法で干渉することは許されない〕
・〔地球人は自治領より区切られた領土・領海外を侵してはならない〕

と取り決めされている。

もしもこれを犯すことがあれば、直ちに自治権を取り上げられる。

極めて友好的・好条件ではあるが、あくまで二者間の力関係は、アルフィータが上であるといえる。





地球人の移住から約10年後、アルフィータは忽然と姿を消す。

その理由は未だ明らかにされていない。

○ 地球人 ○
アルフィニーアに住む地球人の5分の1は、
冷凍保存された精子と卵子から誕生している。

そうした人工受精によって生まれる子供は、
・二親、あるいは片親が存命の者と、
・既に死亡している者に分かれる。

また、
・母親や代理母が出産するケースと、
・子宮に見立てた培養槽から生まれるケースとがある。

培養槽生まれの子供は特別施設にて育てられ、
・里親に貰われる者もいれば、
・成人するまで施設で生活する者もいる。

ナギはすべてにおいて後者にあたる。
○ アルフィータ ○
惑星「アルフィニーア」の元からの住人のこと。
=先住民。

地球人よりも高度な科学力を持っている。

非常に大人しく友好的だが、滅多に地球人の前に姿を現さない。

助力・協力の際も、殆どセラフィを通しての間接的な方法を取っていた。

更にその後、表立った地球人との関わりを断つ。

現在アルフィータと繋がりがあるのは、ごく一部の政府上層部のみである。